山梨医科大学雑誌 第12巻4号 r14-r27(1997)

第4回山梨医科大学CPC記録:転院当日脳梗塞を発症したと考えられたASO術後足部壊死症例

要 旨:症例は69才の男性。約2年前の下肢ASO術後,陳旧性脳梗塞,重症糖尿病の経過観察中,1996年10月末より左足部にチアノーゼが出現,先端部に壊死を生じ,11月19日一過性意識消失発作,右方向眼球注視,嘔吐があり入院した。入院後意織混濁が進行し,脳幹部梗塞が疑われ,心肺蘇生術を行ったが,意織レベルは回復せず,腎不全,代謝性アシドースが進行,11月22日死亡した。病理解剖の桔果,脳幹部梗塞は認められなかったが,広範な陳旧性梗塞巣に加えて,大脳半球の前頭,頭頂および後頭葉の一部と小脳両半球におよぶ広範な新鮮梗塞さらに小脳扁桃ヘルニアがあり,死因は延髄圧迫による呼吸不全と考えられた。





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