山梨医科大学雑誌 第13巻2号 065-071(1998)

<原著>当科における若年者胃癌症例の検討

飯塚秀彦、河野浩二、関川敬義、松本由朗

抄録:1983年10月より1996年12月末までに,当科で手術を施行した40歳未満の若年者胃癌症例(若年群,37例)を臨床的・病理組織学的に40歳以上症例(対照群,821例)と比較検討した。若年群では性差はなく,占居部位はM領域に多かった。肉眼分類では3および4型の浸潤癌が多く,表在型ではUc,V,Uc+Vの陥凹型が多かった。組織型ではpor, sigの低分化腺癌が多かった。進行程度はstageTが55.6%を占めるが,Wbも25.0%あり,腹膜播種と4群リンパ節転移が多かった。また,stage別の累積生存率は若年群と対照群で差はなく,両群とも根治度A症例の予後は良好であった。このため,手術侵襲に対し余力のある若年者には根治度Aをめざした拡大手術が予後を改善する可能性がある。また,早期発見が重要であった。

キーワード:若年者,胃癌




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