山梨医科大学雑誌 第13巻3号 r27-r36(1998)
第8回山梨医科大学CPC記録:
肝静脈内腫瘍栓によるうっ血性梗塞により急速に
肝不全が進行した肝細胞癌切除後再発症例
要 旨:症例は44歳,男性。6年前にB型肝炎,3年前に肝右葉に腫瘤を発見され肝右葉切除,胆嚢摘出手術を施行。その後肝動注化学療法,マイクロ波焼灼術等を行ったが腫瘍は増大した。発熱と咳嗽が持続し,肝性脳症が出現,肝性昏睡が急激に進行して死亡した。解剖の結果,肝内側区域から心右房におよぶ腫瘍塞栓があり,外側区域に広範な出血性梗塞が形成され,これが肝不全の原因と考えられた。さらに気管支肺炎の合併が認められた。
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