山梨医科大学雑誌 第13巻4号 r01-r14(1998)

第9回山梨医科大学CPC記録:
眼球運動障害を伴った筋萎縮性側索硬化症

要 旨:32歳の女性。4年前より上肢の脱力,続いて下肢の脱力も加わり,全身性,進行性の筋力低下と筋萎縮を認め,最後は呼吸不全を来たし,感染症,意識消失を繰り返して死亡した。経過中,軽度ながら上下方向の眼球運動障害を認めたことから本邦に比較的多いとされる眼球運動障害を伴う筋萎縮性側索硬化症としてよいか,また意識喪失発作の脳病変は何かが臨床上の問題点であった。病理解剖の結果,筋萎縮性側索硬化症の定型的所見が確認されたほか,眼球運動障害と意識消失の原因は感染による中脳,橋,大脳皮質,脳幹網様体などの微小膿瘍とその周囲の脳浮腫によるものと推測された。さらに眼球運動障害の原因として長期人工呼吸器使用による眼球運動関連神経核障害の可能性も指摘された。





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