山梨医科大学雑誌 第13巻4号 r15-r26(1998)

第10回山梨医科大学CPC記録:
 
急速な呼吸および肝機能障害を生じたHodgkin病の1例

要旨:71歳の男性が左頸部の腫脹で来院したが,放置していた。その後,頸部の腫脹が増大し,右頸部,両側腋窩リンパ節まで腫脹したので,発症後9力月目に生検し,Hodgkin's disease,mixed cellularity typeと診断された。前院での化学療法と当院での放射線療法により,多数のリンパ節や脾,両側尿管周囲に存在したと思われる腫瘍細胞はほとんどが壊死に陥ったが,黄疸,腎機能障害,肺炎で死亡した症例である。剖検上,肝には胆汁欝滞が見られたにも拘らず,腫瘍の浸潤は見つからなかった。この黄疸の発生機序は興味深い。腎機能障害は尿細管壊死によるが,その原因には治療による多量の壊死物の形成が関与している可能性が推測された。





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