山梨医科大学雑誌 第13巻4号 r27-r35(1998)
第11回山梨医科大学CPC記録:
急速に増大した胸腔内腫瘍
要 旨:患者は多発性脳梗塞の既往歴がある65歳の男性。死亡2力月前に胸部X線で右下肺野に腫瘤陰影が認められ,入院した。CTガイド下経皮針生検により小細胞癌が疑われたが,右血性胸氷,呼吸困難が増強し,肺炎を併発して呼吸困難により死亡した。急速な増大を示す一方で遠隔転移を認めず,腫瘍マーカーの上昇も認められず,本腫瘍の本態に疑問が集中した。剖検の結果は右肺原発の末梢型低分化扁平上皮癌と診断されたが,RAS染色では腫瘍細胞は粘液陰性のため,粘液様物資の由来に関しては今後の検討課題として残された。肺外への腫瘍浸潤は右横隔膜と右肺門リンパ節に認めた。その他,前立腺の潜在癌(高分化腺癌)が発見されたが,その転移はなかった。
本文は、編集委員会の意向によりインターネットには公開しておりません。図書館等でご覧ください。
Texts are not availavle on Internet.
目次・Contentsに戻る