山梨医科大学雑誌 第14巻1号 r01-r06(1999)

第12回山梨医科大学CPC記録:
膵頭部癌に対し膵頭十二指腸切除術施行後
21日目に急死した1症例

要 旨:症例は68歳,男性。アレルギーの既往はない。5カ月間で9kgの体重減少を認め,近医を受診し膵頭部癌,肝転移を診断されて平成8年10月14日本院に入院した。11月12日膵頭十二指腸切除術を施行,その21日後にウログラフィンによる瘻孔造影を施行後,眩暈,嘔気が出現し,10分後呼吸困難が出現,チアノーゼを認め,呼吸停止。気管内送管も効果なく呼吸停止から10分後心停止,死亡した。臨床的には死因として肺動脈塞栓,造影剤によるショックが疑われたが,剖検の結果,肺に新鮮動脈塞栓はなく,気管および気管支内腔に多量の泡沫状分泌物と粘膜に高度の浮腫,好酸球浸潤を認め,造影剤が原因のアナフィラキシー反応による気道閉塞が死因と推定された。





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