山梨医科大学雑誌 第14巻2号 r01-r08(1999)

第15回山梨医科大学CPC記録:
初診より2年5ヵ月にて癌死にいたった家族性大腸ポリポーシス

要 旨:患者は50歳,女性。家族歴では父67歳,大腸癌で死亡,母30歳代で癌死,同胞3人中1人が45歳で大腸癌死している。3年前,下腹部痛で発病,大腸ポリポーシスと診断され,2ヵ月後イレウスに対する緊急手術を受け,下行結腸閉塞部を切除,続いて1年前にS状結腸,肝部分切除を受け,家族性ポリポーシスを伴う腺癌と肝転移を診断された。その後肝転移が再発し,肝不全を呈して死亡した。解剖所見では残存大腸に限局して多数の過形成性および腺腫性ポリープが密生し,その1箇所に微小な高分化腺癌を認めた。肝,肺,横隔膜,リンパ節に転移を認めたが,それらは組織型から前回切除された腺癌の転移と推測された。p.53の免疫染色を行った結果,過形成巣,腺腫の部分は陰性で腺癌のみ陽性を示し,p.53検出の有用性が示唆された





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