山梨医科大学雑誌 第14巻2号 r23-r28(1999)

第18回山梨医科大学CPC記録:
消化管閉塞症状を呈した慢性腎不全例

要 旨:60歳,男性。12年前に腎機能低下と高尿酸血症を指摘され,血液透析を開始したが,10年前に腹膜透析に移行,3年後にCAPD腹膜炎を発症した。腹膜の除水能低下のため,血液透析に戻したが,1年前より大量の腹水のため入院。硬化性被嚢性腹膜炎と診断され,治療を開始し,一旦退院したが,全身倦怠感により3ヵ月前に再入院した。その後,吐血,ショック,縦隔・後腹膜気腫,原因不明の発熱等の症状があり,低血圧に続いてショック状態となり死亡した。剖検により終末性萎縮腎と硬化性被 性腹膜炎が確認され,縦隔・後腹膜気腫は十二指腸壁の破綻によるものと推定されたが,敗血症性変化は認められず,高度の腸管機能不全による栄養障害が死因とみなされた。腹膜透析による硬化性被嚢性腹膜炎は比較的希ではあるが,それを早期に発見し適切に対処することの重要性が示唆された症例である。





本文は、編集委員会の意向によりインターネットには公開しておりません。図書館等でご覧ください。

Texts are not availavle on Internet.



目次・Contentsに戻る