山梨医科大学雑誌 第14巻3号 r06-r13(1999)

第21回山梨医科大学CPC記録 : 心病変より診断された原発性アミロイドーシス

要 旨:64歳の男性。5ヵ月前よりOsler-Rendu-Weber 病の診断で耳鼻科通院中,全身倦怠感と顔面の浮腫が出現,さらに労作時の呼吸難と胸部圧迫感を自覚し,次第に悪化したため入院。入院時検査でIgG l のM蛋白を認め,心電図,心エコー,断層心エコー検査,心筋生検にて心アミロイドーシスと診断された。心不全に対して利尿剤を投与し,アミロイドーシスに対してはMP療法を行ったが,入院後2ヵ月より腎機能が悪化し,多臓器不全を来して死亡した。剖検の結果,心,肝,腎,脾,肺,食道,胃,小腸,大腸,皮膚,膀胱,前立腺等に高度のアミロイド沈着,さらに全身とくに消化管の血管壁の肥厚と蛇行を伴うアミロイド沈着を認め,死因は消化管出血と拘束性心不全と考えられた。Osler-Rendu-Weber 病についてはアミロイドの沈着による血管の変化も強く,病理学的に確認することは困難であった。なお骨髄は造血系の過形成を示したが,形質細胞腫は認められなかった。





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