山梨医科大学雑誌 第14巻3号 r22-r29(1999)

第23回山梨医科大学CPC記録 : Parkinsonism を伴ったautonomic failure の1例

要 旨:60歳の女性。1年半前,膀胱炎を反復し,便秘,起立性低血圧,歩行時のふらつきがあり,高度の自立神経症状に加え,振戦,仮面様顔貌,固縮などを認め,Parkinsonism を伴った多系統萎縮症とくにShy-Drager 症候群が疑われ,薬剤投与により経過観察されていたが,症状が進行したため再入院した。入院後肺炎と尿路感染による発熱が頻発し,運動機能はさらに低下,上気道狭窄による呼吸困難,血圧の変動や不整脈が目立つようになり,徐々に心肺機能が低下して入院後1年9カ月で死亡した。剖検の結果,脳病変として黒質,線状体,橋,延髄,小脳プルキンエ細胞層,脊髄中間質外側核の神経細胞の脱落とグリオーシス,glial cytoplasmic inclusion が検出され,多系統萎縮症と診断されたが,Shy-Drager 症候群を確定するにはいたらなかった。後輪状披裂筋の萎縮と器質化肺炎が認められ,両者に起因する呼吸困難により死亡したと判断された。





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