山梨医科大学雑誌 第14巻3号 r30-r37(1999)

第24回山梨医科大学CPC記録 : 経過中に血小板減少,イレウスを来した肺癌の1例

要 旨:60歳の男性。今回の入院(第3回目)の1年9カ月前,検診で胸部異常陰影を発見され,1年後に入院,肺癌(未分化癌,T4N2M0 ,Stage III B)と診断された。放射線照射(66 Gy)により腫瘍は縮小し,嚥下困難も改善されたが,両下肢に点状出血が出現,血小板減少を認め,特発性血小板減少性紫斑病と診断された。2カ月前より嚥下困難が再発し,入院。頻回の嘔吐があり,小腸閉塞の診断でイレウス管を挿入した。入院2カ月半後,喀血があり,イレウス管よりも血液が排出,血圧低下を来して死亡した。剖検の結果,右肺上葉原発の粘液形成型大細胞癌と診断され,癌の食道,胸部大動脈浸潤に起因する大動脈穿通による食道内への出血が直接死因と判断された。両側肺門と縦隔リンパ節に転移があり,血行性転移は回腸にのみ認められ,腫瘍結節の一部が腸重積の原因であることが判明した。血小板減少の原因については,薬剤(Voltaren SR)の可能性が指摘された。





本文は、編集委員会の意向によりインターネットには公開しておりません。図書館等でご覧ください。

Texts are not availavle on Internet.



目次・Contentsに戻る