山梨医科大学雑誌 第14巻4号 103-112(1999)

<総説>セメントレス人工関節におけるポリエチレン製人工軟骨の磨耗

浜田良機,堀内忠一

抄録:人工股関節が長期の安定した骨への固定性を獲得するには解決されなければならないいくつかの問題点がある。なかでも人工軟骨として利用されているポリエチレン磨耗粉による限局性の骨溶解(osteolysis )は,良好な関節機能を発揮していた人工関節を術後10年までに再置換術(re-vision)が必要な状態に陥れるものとして最も注目され,その防止対策が提言されている。これにはポリエチレンの物性やポリエチレン製人工軟骨と関節する骨頭の材質など工学的問題点が多いので,今後は工学者との密な連携のもとでの研究が必要である。

キーワード セメントレス人工股関節,ポリエチレン磨耗粉,摩擦,骨溶解




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