山梨医科大学雑誌 第15巻1号 r08-r14(2000)
第28回山梨医科大学CPC記録:
急性硬膜下血腫術後に循環不全を契機として腎不全となり
死亡した83歳の男性例
要 旨:患者は83歳の男性で,意識障害を主訴として来院。頭部CTで,右側硬膜下の血腫と右側脳室の圧排による狭小化を認めたため,緊急大開頭血腫除去術が行われた。術後,遷延性の意識障害と37度台の発熱を認めたが,回復傾向を示していた。入院後約2カ月で突然のショック状態に陥り,その10日後に死亡した。剖検では,手術野反対側の左硬膜下水腫(血腫)とその圧迫による左側鈎部の鈎ヘルニア,多発性の小脳梗塞を認めた。しかしながら,脳実質内には挫傷や出血などはなく,これらの脳所見のみでショックや直接死因の説明は困難であった。最終的にショックは急激な循環血液量の低下(hypovolemic shock)によるものであり,またうっ血水腫による呼吸不全が直接死因と考えられた。
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