山梨医科大学雑誌 第15巻4号 r14-r19(2000)

第37回山梨医科大学CPC記録:
全身の皮下腫瘤とリンパ節腫脹を認めた症例

要 旨:患者は72歳の男性で,腹部から背部にわたる紅色皮疹を主訴として来院した。皮疹からの生検では悪性リンパ腫(T細胞)と診断された。その後血中の抗HTLV-1抗体が高値,腫瘍のHTLV-1 proviral DNAの検索でも欠損型が証明され,また末梢血の過分葉を示す異常リンパ球の存在から成人型T細胞性リンパ腫/白血病と診断された。剖検所見では,ATL細胞は全身皮膚と全身リンパ節を中心に認められ,脾臓,骨髄,精巣にも浸潤が証明された。剖検時の検索から本例は最終的にカリニ肺炎を併発して死亡したものと考えられた。





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