山梨医科大学雑誌 第16巻2号 r28-r33(2001)

第44回山梨医科大学CPC記録:血小板減少を伴った急性硬膜下血腫にて発症し,経過中に
胸水貯留,消化管出血を合併し死亡した1例

要 旨:症例は65 歳の女性。回転性めまいを自覚していたが,平成12年10月17日,突然の嘔吐にて,近医受診した。血小板が34 ×10 3/ml と著明に減少しており,CT にて左側頭葉に硬膜下血腫を認め,同日山梨医大脳外科に入院となった。血小板減少による出血傾向が原因の急性硬膜下血腫と診断し,血小板減少の原因について全身検索を行ったところ,CT にて癌の肝転移,脊椎・骨盤転移が疑われ,胸水細胞診でも癌細胞が認められた。第14 病日に癌の全身転移によって死亡した。剖検では,硬膜を含む全身臓器に,低分化型腺癌の転移が認められたが,明らかな原発巣と思われる病変は認められなかった。転移癌は,主に血管やリンパ管内にびまん性に広がっており,小胞巣を形成する低分化腺癌に一部印鑑細胞癌を混じる組織像を示しており,6年前に切除された粘膜内胃癌のリンパ節転移の組織像と類似しており,胃癌の再発による全身転移と考えた。





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