山梨医科大学雑誌 第16巻4号 105-115(2001)

<原 著>
新鮮同種骨関節移植におけるアポトーシスに関する研究

長澤 晃樹,浜田 良機

要 旨:ラットによる血管柄付新鮮同種骨関節移植を施行し,A群(allograft, Fis →BN, non-im-munosuppression),B群(isograft, BN →BN, non-immunosuppression ),C群(allograft, Fis →BN, immunosuppression, 1.0 mg/kg/day of FK-506 ),control (normal Fis )の4 群を作成,移植後1日から14 日までの拒絶反応とアポト−シスとの関連を検索した。病理組織学的検索では,A群は経時的に拒絶反応が進行したが,B群,C群では明らかな拒絶反応はみられなかった。さらにA群のTUNEL法および電子顕微鏡による検索では,骨細胞は移植後5日,軟骨細胞は移植後7日でアポトーシスの増加をみとめた。一方B群,C群では移植後全経過を通してアポトーシス細胞はA群に比べ有意に少なかった。そして移植後全ての群の軟骨細胞にFas の発現がみられたが,拒絶反応をみたA群のrecipient 由来の浸潤リンパ球にのみFasリガンド(FasL)が発現していた。以上より新鮮同種骨関節移植の拒絶反応にはアポトーシスの関与があり,その発現機序として可溶性FasL が作用するFas/FasLシステムの関与の可能性が示唆された。

キーワード:関節移植,拒絶反応,アポトーシス,Fasリガンド




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