山梨医科大学雑誌 第16巻4号 r07-r13(2001)
第48回山梨医科大学CPC 記録:
難治性ウイルス感染症で発症した免疫不全症の乳児に
非血縁者間臍帯血移植を行ったが拒絶された1 例
要 旨:本症例は重症複合型免疫不全症(severe combined immunodeficiency, SCID)の5ヶ月男児である。2000年12月末に発熱,汎血球減少を期に発見され,2001年2月14日に臍帯血移植を行ったが生着せず,全身性のcytomegalovirus感染症を発症し,肺炎による呼吸不全で死亡した(全経過約3ヶ月)。剖検では,全身のリンパ組織のリンパ球減少がみられた。胸腺は皮髄の分化に乏しい上皮性細胞からなり,リンパ球(thymocyte)は著しく減少し,胸腺異形成の状態であった。わずかにみられたリンパ球はT 細胞,B 細胞のいずれのマ−カ−も陰性でありNK細胞と推定された。全身臓器にウィルス封入体を持った巨細胞がみられ,直接死因はcytomegalovirus感染による間質性肺炎と考えられた。
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