山梨医科大学雑誌 第17巻2号 r01-r05(2002)

第51回山梨医科大学CPC 記録
食道癌に対して放射線単独治療を選択した大酒家,
愛煙家の1例

要 旨:症例は喫煙歴(Brinkmann index 1920)と飲酒歴(積算飲酒量3.1t)を有する66歳の男性で,進行食道癌によって1年2ヶ月の経過で死亡した。肺気腫による呼吸不全とアルコ−ル性肝障害があり,放射線療法(30Gy)が選択された。剖検時に上部食道に3型+2型の中分化型扁平上皮癌(10×2.5cm大)があり,病変の約2/3に壊死が認められ,これは放射線療法の効果(Grade2)と考えられた。両側肺下葉,リンパ節(右鎖骨上窩,胃噴門部),頸椎に転移がみられた。肝には中心静脈周囲の線維化,肝細胞周囲の線維化を伴った亜小葉性再生結節がみられ,アルコール性肝硬変が示唆された。呼吸不全の原因は両肺の小葉中心性肺気腫にうっ血水腫が加わり呼吸機能が低下したと考えられた。





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