山梨医科大学雑誌 第17巻2号 r17-r21(2002)

第54回山梨医科大学CPC記録
著明な腹水及び骨盤内腫瘤を呈した血液透析患者の1例

要 旨:症例は,腎透析(原因不明の慢性腎不全)および骨髄異形成症候群(不応性貧血)のため本学附属病院・泌尿器科にてフォローされていた72歳の男性。平成13年8月より,全身倦怠感が出現し,腹水の急激な増加を認め,9月22日入院となった。CT画像検査により,膀胱直腸窩に腫瘤を認め,転移性悪性腫瘍や悪性中皮腫を疑い,生検等の精査が行われたが確定診断がつかないままに,10月20日死亡となった。解剖所見では,膀胱直腸窩を中心に腹腔内にびまん性に広がる腫瘍を認めた。骨盤内臓器および胃・腸管に原発性腫瘍は認めなかった。組織学的には,腺管構造および肉腫様構造を示す二相性の所見が見られ,さらに,免疫組織化学染色でcalre-tininなどの中皮細胞マーカーが陽性であり,腹膜原発の悪性中皮腫と診断された。





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