山梨医科大学雑誌 第17巻4号 087-097(2002)

<総説U>
冠攣縮の病態と臨床的特徴

久木山 清貴

要 旨:冠動脈のトーヌスは血管弛緩因子と収縮因子によるそれぞれの作用のバランスにより保たれている。そのバランスがくずれて収縮性が亢進すると冠動脈攣縮(冠攣縮)発症につながる。冠動脈攣縮(冠攣縮)は冠攣縮性狭心症のみならず虚血性心疾患全体の病態に深く関わっている。著者らは攣縮を有する冠動脈内皮におけるNO活性が低下していること,そしてこのことが冠攣縮の病態に関与していることを明らかにした。喫煙等による酸化ストレスが冠攣縮の病態に関わっている可能性がある。エストロゲン,Mg,自律神経系も冠動脈トーヌスに大きく影響を与え冠攣縮発生に関与する。内皮機能多枝冠攣縮は発作時に致死的不整脈を惹起することが多く,カルシウム拮抗剤によって厳重に管理すべきである。

キーワード 冠動脈攣縮,Nitric Oxide (NO),酸化ストレス,内皮細胞




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