山梨医科学雑誌 第18巻1号 001-007(2003)

<総説T>
糖尿病性腎症の薬物療法:最近の知見から

小林 哲郎

要 旨:糖尿病性腎症は,高血糖により腎糸球体の輸入細動脈の血流の増加,糸球体内圧の亢進,さらに血管内皮細胞の障害により起こるとされている。糸球体での血小板の凝集,マクロファージなどからのサイトカインの放出によってその障害は進行するが,最近このプロセスを種々の段階においてブロックする治療法が行われるようになってきた。まず,血糖コントロールおよび血圧の厳格なコントロールによって腎症の進行は抑制されることが明らかとなった。さらに,アンジオテンシン変換酵素阻害剤(ACEI)およびアンジオテンシンU受容体ブロッカー(ARB)などもその有用性が明らかとなっている。今後ARBとACE阻害剤との併用療法を含めて,長期間の糖尿病性腎症に対する効果の検討が必要であろう。

キーワード 糖尿病性腎症,高血糖,糸球体内高血圧,アンジオテンシン変換酵素阻害剤(ACEI),アンジオテンシンU受容体ブロッカー(ARB)




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