山梨医科学雑誌 第19巻4号 101-106(2004)

<総説>
C型肝炎ウイルス レプリコン系

榎 本 信 幸

要 旨:C型肝炎ウイルス(hepatitis C virus, HCV)による慢性肝炎は,年間3万5,000人が死亡する日本の肝癌の原因の80%を占めている。インターフェロンを機軸とする治療法の進歩により最近では約3分の2の患者でHCVの排除が期待できる時代となったが,依然として難治性の症例が多数存在し新たな治療法の開発が待望されている。これまでHCVはヒトおよび霊長類の肝臓内でしか増殖せず研究の大きな障害となってきたが,培養細胞内でHCV増殖過程を再現するHCVrepliconの開発により画期的な知見が得られるようになった。HCV repliconを用いて,HCV増殖を制御するウイルス側因子,細胞側因子,ウイルスに対する生体反応,あるいはインターフェロン抵抗性を解析することにより,これらを標的とする治療法の研究開発が進展している。

キーワード:C型肝炎ウイルス,レプリコン,インターフェロン,分子シャペロン,自然免疫



本文は、編集委員会の意向によりインターネットには公開しておりません。図書館等でご覧ください。

Texts are not availavle on Internet.




目次・Contentsに戻る