山梨医科学雑誌 第20巻3号 043-047(2005)

<総説>
マスト細胞の二面性
―アレルギーと感染防御―

松 江 弘 之

要 旨:従来,マスト細胞はアレルギー疾患において主に研究されてきたが,最近,病原体に対する感染防御にも重要な役割を担っていることがその機序とともに解明されつつある。マスト細胞の感染防御における役割には,マスト細胞の解剖学的位置,マスト細胞がもつ病原体を認識し反応するレセプターシステム,マスト細胞が放出する種々のメディエーターの関与が明らかにされてきた。それらを介して,マスト細胞は生体が病原体を排除する際の自然免疫反応と獲得免疫反応に関与する重要な免疫細胞であることが明らかにされてきた。今後さらに,感染防御におけるマスト細胞の役割が明らかになれば,その人為的制御によりアレルギー反応を含む種々の免疫応答を制御できる可能性がある。

キーワード マスト細胞,自然免疫,獲得免疫,アレルギー,Toll-like receptor(TLR)



本文は、編集委員会の意向によりインターネットには公開しておりません。図書館等でご覧ください。

Texts are not availavle on Internet.



目次・Contentsに戻る