山梨医科学雑誌 第20巻4号 083-089(2005)

<原著>
ニワトリ腰髄後角におけるcyclooxygenase-2 陽性細胞に
存在するmu opioid receptor 抑制系

青 木 航 洋,川 手 豊 子,坂 本 宏 史,
山 田 明 香,浜 田 良 機,熱 海 佐保子,

要 旨:脊髄後角表層での炎症性疼痛の発生や修飾に関係するcyclooxygenase-2(COX-2) 含有細胞と,内因性疼痛抑制に関与するmu opioid receptor(MOR) を持つ細胞との関係について検討した。complete Freund’s adjuvant(CFA) を足蹠に注射し,炎症を生じさせたニワトリ脊髄後角表層のT,UおよびW層のCOX-2 陽性細胞とMOR 陽性細胞についての経時的な細胞数の変化は,COX-2 陽性細胞ならびにMOR 陽性細胞ともCFA 注射後時間経過とともに漸増したが,18 時間後ではMOR 陽性細胞数は一時的に減少した。COX-2 およびMOR 共存細胞数は,12 時間後から増加し,36 時間後が最高だった。いずれの層でも18 時間後には一時的に減少していた。non-steroidal anti-inflammatory drugs(NSAIDs)の投与がCOX-2 含有細胞を抑制し,また,MOR がsubstance P の放出を抑制するという事実から,この研究でCOX-2 およびMOR が共存する細胞の存在を証明したことで,MOR を介した炎症抑制系が同一部位に存在する可能性が示唆された。

キーワードシクロオキシゲナーゼ-2,ミューオピオイドレセプター,後角,炎症,抑制



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