山梨医科大学雑誌 第4巻3号 107-118(1989)
<総説>時間生物学的医学に関する知見
田村康二
抄 録:時間生物学的医学は新しい学問であり,我が国でも最近漸く注目されてきている。そこでこの総説の目的は,医学への時間生物学の応用についての最近の知見をまとめて明らかにし,識者のこの学問に対する関心を高めてもらうことにある。まず新しい時間認識の装置の開発には新しい自然観測法が有用であることを示した。加齢ならびに高血圧を例としてコサイナー解析した人のリズムの成績を基にその診断的意義を述べた。次にこの情報が高血圧の時間生物学的治療を可能にしており,臨床医学上,きわめて重要であることを示した。更に本態性高血圧の早期予防についての研究を例にして時間生物学的危険度について述ぺた。この新しい医学概念に基づく学問が広く我が国にも浸透してゆくことを期待している。
キーワード 時間生物学的医学,時間生物学的診断,治療,予防
Review of Chronobiological Medicine
Kohji Tamura
The recent progress in the application of the chronobiology to medicine was reviewed. As all example of chronobiological medicine, aging and hypertension were discussed based on the data derived from cosinor rhythm analysis. In addition, the clinical significance of chronotherapy for the hypertension was evaluated.
Key words: chronobiological medicine, chronobiological diagnosis, treatment and prevention
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