山梨大学看護学会誌 第1巻1号 003-007(2002)
<総 説>
占領期の日本の看護教育改革構想
−Nursing Education Council における検討過程を通して−
坪井 良子,佐藤公美子
要 旨
わが国独自の看護教育の歩みは,第二次世界大戦後の連合軍最高司令官総司令部(GHQ /SCAP )の占領改革に,その原点を見ることができる。現行の看護教育制度や保健師助産師看護師法は,GHQ /SCAP の指導の基に成立し発展してきた。占領地における衛生管理の目的から,占領直後に日本に進駐し活動を開始した公衆衛生福祉局は,日本の医療,看護の現況をどのように捉え看護教育改革の基本方針を決定したのか,今日に継続する看護教育制度の再編の意図,その経緯及び結果など,看護教育改革の成立過程をGHQ 文書に基づき明らかにすることを課題とした。検討の結果,看護教育改革の構想は1946 年3 月25 日に設立した“Nursing Educa-tion Council ”の検討過程が基盤となっており,さらに戦後の新たな看護教育カリキュラム構想も打ち出して決定していった。そのカリキュラムはモデルスクールとして1946年6月1日に開設された,Tokyo Demonstration School of Nursing の3年課程のカリキュラムに反映された。占領初期にPHWは看護教育改革の構想を明確に示し,その実践に向けて勢力的に活動した経緯と占領側の意図を明らかにした。
キーワード 占領期,公衆衛生福祉局,看護教育改革,看護教育カリキュラム
The Conception of Nursing Educational Reform during the Period of the Occupation
-Through the Discussion Process of the Nursing Education Council-
TSUBOI Yoshiko, SATO Kumiko
Key Words Occupied Japan,GHQ /PHW,Nursing Educational Reform,Curriculum of Nursing School,Nursing Education Council
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