山梨大学看護学会誌 第1巻1号 033-036(2002)

<資 料>
高齢者疑似体験装具装着による歩行への影響

小林 陽子,高田谷久美子,山岸 春江,瀧澤 孝子

要 旨
 看護教育において高齢者に対する理解を深めるために,高齢者疑似体験装具を用いての高齢者疑似体験プログラムが採用されてきている。しかしこれまで,高齢者疑似体験装具を装着することにより動作に生じる変化については明らかにされていない。
 そこで本研究では,高齢者疑似体験装具装着により現れる変化について歩行動作を指標として検討した。20歳代女子学生5 名を被験者とし,高齢者疑似体験装具を装着しない通常歩行と疑似体験装具を装着しての歩行を行い,それぞれの歩行動作をビデオ撮影し,動作解析装置を用いて3次元解析を行った。
 高齢者疑似体験装具装着により,歩行動作に現れた変化として,歩幅の減少,歩行速度の減少,歩隔の増大,股関節,膝関節,足関節及び肘関節の運動域の減少,上半身の前傾傾向が確認された。これらは,高齢者の歩行の特徴といわれているものであり,装具装着により,高齢者歩行を疑似体験できていることが確認できた。

キーワード 歩行分析,高齢者疑似体験



Influence on the Gait of Wearing Equipment for the Experience of the Aged

KOBATASHI Yoko, TAKATAYA Kumiko, YAMAGISHI Harue, TAKIZAWA Takako


Key words  Gait Analysis,Simulation of the Aged


論文PDFファイル (48KB) はここをクリックしてください
Full Text PDF File (48KB)




目次・Contentsに戻る