山梨大学看護学会誌 第1巻2号 007-012(2003)

<原 著>

青年期・壮年期における
食事中の脂肪酸摂取比率(SMP比)の特徴

西田 頼子,中村美知子,伊達久美子,西田 文子

要 旨
 近年,生活様式の欧米化,産業・経済の発展に伴い食生活も変化し,脂質摂取が増加している。脂質摂取過剰は肥満や高脂血症など,生活習慣病のリスクファクターであり,今後,生活習慣病等の増加が懸念される。今回,青年・壮年期を対象に,食物による脂肪酸摂取比率(SMP比)の特徴を明らかにするために調査を行った。青・壮年期および,男女で4 群に分けたところ,4群とも摂取脂肪エネルギー比率が30%前後と高かった。飽和脂肪酸は摂取量に有意差は見られず,摂取食物も鶏卵,豚肉等同様であった。多価不飽和脂肪酸は壮年群がn-6系脂肪酸の豊富な大豆製品やn-3系脂肪酸の多い魚類を多く摂取している傾向で,SMP比がバランス良く摂取されていた。青年・壮年期において脂質摂取を控え,炭水化物でエネルギーを補うこと,豚肉・牛肉などの動物性油脂食品を魚類にし,飽和脂肪酸の摂取を抑え多価不飽和脂肪酸,特にn-3系脂肪酸の摂取を心掛ける必要性が示唆された。

キーワード 血中脂肪酸,食事中脂肪酸,SMP 比,食生活,成人



Dietary Saturated and Unsaturated Fatty Acid Intakes in Adults

NISHIDA Yoriko, NAKAMURA Michiko, DATE Kumiko, NISHIDA Fumiko


Key Words Serum Fatty Acids,Dietary Fatty Acids,SMP Ratio,Dietary Life,Adults


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