山梨大学看護学会誌 第2巻1号 035-041(2003)

<実践報告>
糖尿病患者の教育入院プログラム作成と評価

佐野 玉季,島田 昌子,新田 妙子,伊達久美子

要 旨
 糖尿病患者が増加しつつある現在,糖尿病をめぐる医療は,患者自身が食事療法や運動療法等の自己管理ができるように教育することが重要となってきている。筆者らは当病棟で今まで行ってきた糖尿病教育入院患者への指導方法を見直して,一定の入院期間の中でも患者が疾患を受け止め,自己管理能力が高まるような教育入院プログラムを新たに作成し,導入を試みた。教育入院プログラムは,医療者間の統一目標の設定と役割分担の明確化,看護チーム内の指導基準の統一,教育入院のイメージづけの強化,学習への動機づけの強化,目標を患者と共有および修正を5 つの柱として構成した。このプログラムの評価は,退院後3ヶ月目の患者に対し質問紙調査を実施し,プログラム導入前後の比較によって行った。その結果,食事自己管理行動と看護師の関わりに対する満足感が導入前群より導入後群の方が有意に高くなったことから,プログラムの有用性が示唆された。一方,教育内容の理解度の確認が導入後群で評価が下がり,指導内容の統一のために用いたマニュアルが画一的であった可能性が示唆され,課題が明らかとなった。

キーワード 糖尿病患者,教育入院プログラム



The Planning and Evaluation of the Diabetic Educational Program for Inpatients

SANO Tamaki, SIMADA Masako, NITTA Takeko, DATE Kumiko


Key Words Diabetes Mellitus, Diabetic Educational Program for Inpatients


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