山梨大学看護学会誌 第2巻1号 043-048(2003)

<資 料>
医療的ケアを常時必要とする児が教育を
受けていく上で期待される看護師の役割
−A養護学校での事例を通して−

荻原 貴子,高田谷久美子

要 旨
 これまで養護学校において医療的ケアを必要とする児への対応は保護者に委ねられることが多かったが,児の教育上の効果から考えても,それは望ましい対応とはいえない。児が教育を受けていく上で,医療的ケア実施者によりどのような問題があるのかを検討するために,Y県立A養護学校の保護者3人,教師9人に面接調査し,その内容を分析した。その結果,保護者は児の教育効果の向上から,また,教師は児との信頼関係促進や教育的関わりの拡大のために教師による医療的ケアが望ましいとしていた。しかし,教師が医療的ケアを実施するには,ケアの安全性,責任の所在などに不安が残り,今後は法的基盤の整備,教師への研修・講習なども行っていけるような体制づくりが必要である。その中で看護師は医療的ケアに対する教師への指導・相談役割,医師との連絡調整役割を果たすことが期待されている。

キーワード 医療的ケア,重症心身障害児,教育,看護の役割,連携



The Expecting Role of Nurse's for Children who Need Always Medical Care in School Settings
-Case Report of A School for Disabled Children-

OGIHARA Takako, TAKATAYA Kumiko


Key Words Medical Care, Severe Disabled Children, Education, Role of Nursing, Collaboration


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