山梨大学看護学会誌 第2巻1号 055-060(2003)

その他(論考)
「産婆十三戒」に見る近代産婆の教育観

柳原眞知子

要 旨
 明治期前半は,近代教育が強力に推し進められた時代であった。産婆教育も例外ではなく,従来から存在していた旧産婆になりかわり,近代教育システムの中で養成された近代産婆が誕生した。この近代産婆の一人であり,卒後1年目には母校の教員となった笹川美寿は,後に私塾を設立し,私塾の子弟たちのために「産婆十三戒」を著し,これを用いて教育をおこなった。この時代,近代産婆による書は皆無に近く,「産婆十三戒」は近代産婆の教育の思いを知る唯一の資料である。
 今回,この文献を検証し近代産婆・笹川の教育観を抽出しようと考えた。さらに笹川の教育観をより明確にするために,学生時代及び教員時代に使った「朱氏産婆論」との比較を試みた。
 笹川を通して近代産婆の教育観を知ることにより,助産師のあり方や教育について示唆を得ることができた。また,性と生殖に関わる助産師の役割が,社会的文化的影響を強く受けることを改めて認識した。

キーワード 近代産婆,旧産婆,教育観



The Pedagogic View of Modern Midwife Described in “SANBA JYUSAN KAI”

YANAGIHARA Machiko


Key Words Modern Midwife, Pre Modern Midwife, Pedagogic View


論文PDFファイル (41KB) はここをクリックしてください
Full Text PDF File (41KB)




目次・Contentsに戻る