山梨大学看護学会誌 第3巻1号 009-018(2004)
<総 説>
自己導尿による排泄マネージメント
-自己導尿カテーテルの開発の歴史とその有用性-
土屋 紀子
排尿障害(特に神経因性膀胱)の尿失禁は薬物や手術または排泄機能のリハビリテーションなどによって回復する見込みはまれであり,かつては長期にわたり留置カテーテルでその機能を維持していた。排泄障害における看護ケアの研究も進展し,排尿カテーテルそのもの自体も改善されてきた。従って,排泄障害に起因した尿路感染症なども減少してきたが抗生物質の乱用や,留置カテーテルの生活ゆえに病院の院内感染のなかで尿路感染症は最も高率である。依然として留置カテーテルから解放されないクライエントは少なくない。
ここで,自己導尿の内外文献レビューから,わが国における自己導尿の歴史を振り返り排泄障害からの解放と自立をめざした研究者らの自己導尿カテーテルの開発史や自己導尿の有用性,尿路感染症問題の検討,そしこのことから自己導尿について認識や関心を深め,病院および多様な中間施設そして在宅ケアにおける適切な排泄ケアのマネージメントに資することを願っている。
キーワード 尿失禁,自己導尿,尿路感染症,自己導尿の手法
Urinary Incontinence Management Using Intermittent Self-Catheterization (ISC):
History of ISC Development and the Effective Outcome
TSUCHIYA Noriko
Urinary incontinence, Intermittent self-catheterization,
Urinary tract infection, Methods of Urinary, Performing ISC
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