山梨大学看護学会誌 第3巻1号 019-024(2004)

<原 著>
ガウンの素材の違いによるMRSA の透過性の検討

森本美智子,田辺 文憲

 MRSA 感染者の看護ケアにおいて適切なガウン使用法を検討するために,ガウン素材の違いによるMRSA の透過性を比較する実験を行った。
 液体培地中のMRSA を撥水性と制菌性の有無で分類した6 種のガウン片に付着させ,時間毎にガウンの裏側へ透過した菌数を計測した。その結果,撥水性のないコットン35 %・ポリエステル65 %のガウンは,滴下直後からMRSA の裏側への透過が認められた。一方,撥水性のあるポリエステル100 %ガウンとプラスチックガウンでは,滴下24 時間後までMRSA の透過はみられなかった。また,制菌加工されたコットン15 %・ポリエステル85 %のガウンでは24 時間までMRSA の透過はみられなかった。これらの結果より,湿性生体物質に接触する可能性がある場合はCDC が推奨するように撥水性のガウンを使用すべきである。また,制菌加工されたガ
ウンでは,菌の裏側への透過は抑制されることがわかった。

キーワード ガウン,MRSA ,透過性,感染管理



A Study of MRSA Penetration in Various Fabrics Used in Gowns

MORIMOTO Michiko, TANABE Fuminori


Key Words Gown, MRSA, Penetration, Infection Control


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