山梨大学看護学会誌 第3巻2号 007-012(2005)
<原 著>
緩和ケア病棟入院患者と担当看護師が捉えた
患者の生活の質の相違
池田 直子,中村美知子
要 旨
緩和ケア病棟入院中の患者(以下,PCU患者)の生活の質の認知と担当看護師が捉えた患者の生活の質の認知を比較し,共通点,相違点を明らかにするため,PCU患者・担当看護師各19名を対象とし,生活の質の認知を機能状態を測定するFLIC(Functional Living Index-Cancer)日本語版とよい状態を測定するGWBS(General Well-being Schedule)日本語版を用いて調査した。PCU患者の生活の質の認知と担当看護師が捉えた患者の生活の質の認知の共通点は,「ADLが高い」,「家族・友人との関係に満足している」,「悲しみ・失望がない」という項目に関してであった。また相違点は「医療スタッフとの関係に満足している」,「医療スタッフ・家族との話し合いができている」,「不安・動揺がない」という項目に関してであった。全体的に患者は看護師と比較し,生活の質を高く認知する傾向があることが示唆された。
キーワード : 生活の質(QOL),ターミナル患者,担当看護師
The Cognitive Difference of Quality of Life between Terminal Patients
and Nurses in the Palliative Care Unit
IKEDA Naoko, NAKAMURA Michiko
Key Words : Quality of Life,Terminal Patients,The Nurses in Palliative Care Unit
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