山梨大学看護学会誌 第3巻2号 021-026(2005)
<原 著>
プリコーションガウンの裏側に透過したMRSAに対する
アルコール噴霧および紫外線照射による殺菌効果
森本美智子,田辺 文憲
要 旨
プリコーションガウンの裏側に透過したMRSAに対するアルコール噴霧および紫外線照射による殺菌効果について検討した。撥水性のないコットン35%・ポリエステル65%のガウン片上に液体培地中のMRSAを滴下すると,直後からガウン裏側へMRSAの透過がみられた。菌液滴下30秒後に高さ15 cmからガウンの表側に向けて消毒用エタノール(79.6〜81.4 %)を1回噴霧すると,ガウン裏側に透過したMRSAの殺菌率は3分後に75.2%,10分後に95%,30分後に98.6%であった。また,10 cmの距離からガウンの表側に15 Wの紫外線を照射すると,ガウン裏側の殺菌率は照射1分後にガウン裏側86.5%,30分後に99.96%であった。今回の実験条件ではアルコール噴霧や紫外線照射により30分後にはガウン裏側に透過したMRSAをほぼ殺菌することを示したが,臨床の場面においては条件が異なるためユニホームを汚染する危険があると思われた。
キーワード : プリコーションガウン,MRSA,アルコール,紫外線
Bactericidal Effect of Alcohol Fogging and Irradiated Ultraviolet Rays
on the MRSA Penetrated Precaution Gown
MORIMOTO Michiko, TANABE Fuminori
Key Words : Precaution Gown, MRSA, Alcohol, Ultraviolet Rays
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