山梨大学看護学会誌 第3巻2号 027-032(2005)

<原 著>
通所サービス利用高齢者の家族介護者に対する情緒教育的
支援の介護負担感にみられる効果

望月 紀子,新田 静江,清水 祐子

要 旨
 通所サービス利用高齢者の家族介護者に対する情緒教育的支援効果を,介護者特性と介護状況別にみた介護負担感の変化で検証することを目的とした。家族介護者54名を無作為に2群に分け,介入群には介護に必要な基礎知識を記述したパンフレットを用いた面接による情緒教育的支援を開始時に,電話による情緒的支援を1週間後に実施した。その結果,Zarit介護負担感尺度を用いて測定した介入群の負担感得点は,平均年齢以下群,嫁群,要支援〜要介護2群,時々介護を行う群で有意な減少がみられた。1回の面接と1回の電話による支援が,嫁の感情表出を促進させることで負担感軽減効果をもたらすものの,介護度の高い介護者には,基礎知識は習得済みであったり,負担感が深刻であるために効果をもたらさなかったと思われる。今後は,介護度の高い介護者の知識レベルや負担感程度に応じた支援を実施し,その効果を評価していくことが課題である。

キーワード : 通所サービス,高齢者,介護負担感,家族介護者,情緒教育的支援



Effects of Psychoeducational Intervention on Burden in Family Caregivers of the Elderly Receiving Adult Daycare Service

MOCHIZUKI Noriko, NITTA Shizue, SHIMIZU Yuko


Key Words : Dult Daycare Service, Elderly,Burden, Family Caregiver, Psychoeducational intervention


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