山梨大学看護学会誌 第3巻2号 033-040(2005)

<実践報告>
家族介護者の介護負担感と訪問看護師の
負担感アセスメントの関連

上村 奈美,新田 静江

要 旨
 家族介護者の介護負担感と訪問看護師がアセスメントする負担感との関連を,在宅療養者,家族介護者,訪問看護師の特性から明らかにすることを目的とした。家族介護者と訪問看護師の79組を対象に,Zarit介護負担尺度日本語版(ZBI)を用いて,介護者には面接にて,訪問看護師には自記式質問紙でデータを収集した。両者の一致割合を示すカッパ係数は,−0.217〜−0.008(54.5〜24.1%)と全体的に低かった。介護者特性の続柄と性別では大半が不一致で有意差は各1項目,ADLがよく,訪問看護利用期間が長い在宅療養者では不一致が半数で有意差はそれぞれ2項目と1項目,年齢と実践自己評価点の高い訪問看護師では不一致が多く有意差はそれぞれ1項目と2項目であった。この結果は,介護者のコミュニケーション方法や特性,看護師の業務特性と固定化された認識が,不一致を生じさせた要因と思われる。

キーワード : 家族介護者,訪問看護師,介護負担感,アセスメント



The Relationship between Family Caregivers' Burden and
Visiting Nurses' Assessment of Burden

UEMURA Nami, NITTA Shizue


Key Words : Family Caregiver, Visiting Nurse, Burden, Assessment


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