山梨大学看護学会誌 第4巻1号 035-040(2005)

<資料>
山梨県における遺伝相談の実態
―保健師に対するアンケート調査から―

高田谷久美子,横田 恵子,荻原 貴子,原 えり香,日原 理恵,
山 洋子,山岸 春江

 山梨県内に勤務する保健師を対象に,遺伝相談の実態,および保健師の対応にあたっての困難などを把握し,地域における遺伝相談の問題点,対応にあたる保健師の遺伝教育のあり方について検討していくことを目的として本研究を行った。
 保健師379名を対象として郵送法による自記式のアンケート調査を実施したところ,197名(52.0%)より回答を得た。この1年間に病気のことで何らかの相談を受けたことがあるかについて「はい」と回答した者は145名(75.5%),そのうち遺伝性疾患の事例を経験していた者は67名(46.2%)であった。事例ではダウン症候群が最も多く,相談内容では,「日常生活について」が最も多く,次いで,「社会福祉制度」であった。対応にあたり困ったことがあった者は42名(61.8%)で,その内容としては,「自分のもっている情報が,正しいものか,新しいものか,わからなかった」や「病気についてはいろいろ理解していたが,どこまで責任をもって話したらいいか」が多かった。また,今後の研修を望む者は142名(78.5%)であった。
 以上,保健師は日常の相談業務の中で遺伝性疾患の相談に関わっており,適切な相談をしていく上で,遺伝性疾患の基本知識やカウンセリングなど遺伝教育の必要性が示唆された。

キーワード: 保健師,アンケート調査,遺伝相談



Current Status of Genetic Counseling in Yamanashi Prefecture
- from the Survey on Public Health nurses -

TAKATAYA Kumiko, YOKOTA Keiko, OGIHARA Takako, HARA Erika, HIHARA Rie,
YAMAZAKI Yoko, YAMAGISHI Harue


keywords: Public Health Nurse, Questionnaire, Genetic Counseling


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