山梨大学看護学会誌 第4巻2号 001-009(2006)

<総説>
看護学における多変量解析の利用
―国内文献の検討結果から―

飯島 純夫

<要 旨>
 看護学の研究の対象となる課題は,人間や人間の行動を対象とするものが多く,通常多くの要因が関係しているため,従来の単変量による解析だけでなく,多変量による解析が必要なことが多い。しかし実際には単変量の解析にとどまっている研究が少なくない。これからは単変量の解析だけでなく多変量の解析に習熟し,単変量の解析では見えてこなかったような深い解析を行っていくことが不可欠である。多変量解析の使用にあたっては統計解析ソフトの利用が必須であり,多くの統計解析ソフトがある。看護系の学術論文では,どのような多変量解析の手法が多く使われているのか,また統計ソフトとしては何が多く使われているのか,どのような課題があるのか等について,国内の論文を検討した結果について概説した。

キーワード:看護,多変量解析,重回帰分析,因子分析



The Use of Multivariable Analysis in Nursing Research in Japan

IIJIMA Sumio


Key Words:Nursing, Multivariable Analysis, Multiple Regression Analysis, Factor Analysis


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