山梨大学看護学会誌 第5巻1号 003-008(2006)

<総説>
院内感染対策の基礎

田辺 文憲

要 旨
 感染が成立するためには感染源, 感染経路, 感受性体の3つの要因が必要であるが, 病院内にはこの3つが豊富に存在し, 感染が発生しやすい状況にある。多くの病院では感染制御チームの活動などにより院内感染対策が強化されてきているが, 完全に制圧することは難しい。院内感染対策の基本は, すべての患者に対し標準予防策を徹底することである。標準予防策とはすべての患者の血液, 体液, 排泄物などの湿性生体物質は感染性があるとみなし対応する方法で, 手洗いの励行とあらかじめ湿性生体物質に触れる可能性があるときは手袋、ガウン、マスクなどのバリアプリコーションを着用することである。さらに, 感染力がつよく, かつ重篤な病態をひき起こす疾患に対してはその病原体特有の感染経路別予防策を追加することが必要である。院内感染を防ぐためには感染制御チームによる

キーワード 院内感染,感染制御,標準予防策,メチシリン耐性黄色ブドウ球菌



The Base of Precautions against Hospital Infection

TANABE Fuminori


Key Words Hospital Infection, Infection Control, Standard Precaution, Methicillin-resistant Staphylococcus aureus


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