山梨大学看護学会誌 第5巻1号 031-036(2006)

<資料>
介護度の違いによる高齢者の移動動作
―歩行と階段昇降―の特徴

高田谷久美子,小林 陽子,川村 留美,中田 実希,野口 智里,
吉川 友子,北條 和基,滝澤 孝子,山岸 春江

要 旨
 本研究は,青年4 名(20 〜 22 歳),自立高齢者5 名(71 〜 72 歳:以下自立群とする),要支援から介護度1 までの高齢者5 名(70 〜 80 歳:以下要介護群1 とする),介護度3 の高齢者2 名(90 〜 99 歳:以下要介護群2 とする)を対象に,3 次元動作解析装置を用いて,平地歩行及び階段昇降時の動作を分析し,比較した。平地歩行においては,青年に比し,1)要介護群1,2の順に,いずれも歩幅が有意に減少していた,2)歩速は,要介護群1,2の順に有意に遅くなっており,要介護群2では青年の約1/3となっていた,3)両脚支持期の割合は,要介護群2で有意に増加していた,4)歩行中の膝関節の可動域が,要介護群1及び2で有意に小さくなっていた。階段昇降(各段の高さ11cm)では,要介護群2 の2 名とも不可能であった。また,要介護群1 の1 名が,1 段ずつ両脚をそろえての動作となった。各段での接床時間は,青年に比し,要介護群1で有意に長くなっていた。

キーワード 高齢者,3 次元動作解析,歩行,階段昇降,介護度



Walking Patterns on the Floor and the Stairs Among the Elderly According to the Level of Care

TAKATAYA Kumiko, KOBAYASHI Youko, KAWAMURA Rumi, NAKADA Miki, NOGUCHI Chisato,
YOSHIKAWA Tomoko, HOUJOU Kazuki, TAKIZAWA Takako,YAMAGISHI Harue


Key Words The Elderly, Three-dimensional Motion Analysis, Walking Pattern, Up and Down the Stairs


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