山梨大学看護学会誌 第6巻1号 027-032(2007)

<資 料>
A大学病院に就業する中堅看護師の職務満足の現状
―達人看護師との比較を通して―

鈴木久美子

要 旨
 本研究は,A 大学病院で働く臨床経験4 年目以上の看護師の職務満足度と看護実践能力評価,および職業継続意思との関連を明らかにし,今後の教育プログラム開発や継続して働ける職務環境を検討するために,同意の得られた看護師101名(回収率75.4%)を対象とした。質問紙調査法で,尾崎らの職務満足度の測定項目とA大学病院で作成された看護実践能力評価表を用いた。看護師の臨床経験4年目から7年目を中堅看護師群,8年目以上の臨床経験をもつ看護師を達人看護師群に分けて分析した。
 調査の結果,中堅看護師に対する教育プログラムは,専門職業人としての資質向上,臨床看護実践の評価・指導,学生教育,研究に関する内容が必要であることが確認された。また,専門職としてキャリアアップが図れる研修の充実,出産・育児と職業を両立させる条件整備,看護師としての自律性や専門性が発揮でき,仕事に誇りと価値を感じられるような職務環境が必要であると考える。

キーワード 中堅看護師,達人看護師,職務満足度,看護実践能力評価,職業継続意思



A Comparison of Job Satisfaction of Mid-level Experienced Nurses with
Highly Skilled Experienced Nurses.

SUZUKI Kumiko


Key Words Proficient Nurse, Expert Nurse, Job Satisfaction, Nursing Practice Ability Evaluation, Occupation Continuation Intention


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