山梨大学看護学会誌 第6巻2号 045-049(2008)
<資 料>
うつ病患者の家族のセルフケア機能を高めるための
看護援助の構築 ─語りの分析から─
中村 智嘉,原 克枝,田野口桂子,佐田 知子,
花岡 美咲,小澤 和子,水野恵理子
本研究の目的は,うつ病患者の家族の心理過程を明らかにし,家族のセルフケア機能の評価,看護介入の方向性を見出すことである。対象は精神科初回入院患者の家族8 名とし,半構成的面接を行った。逐語記録について,異変に気づいてから受診までの時期,受診から入院までの時期,入院後の時期における家族の感情に注目してコード化を行い,類似点と相違点の類別を繰り返しサブカテゴリーを抽出し,カテゴリーにまとめた。その結果,《患者の異変に対する感情》,《精神科受診に対する感情》,《状態が安定しないことによる感情》,《精神科入院に対する感情》,《入院治療によって生じる感情》の5 カテゴリーと19 サブカテゴリーが抽出され,患者に対する不安,心配,嫌悪,困惑,哀れみ,受容,共感等の多様な感情をもっていることが明らかになった。以上から,家族のセルフケア機能を見出し高めるために,外来通院中から入院後にかけて教育的役割と相談的役割をもった継続的な関わりが必要であると考えられた。
うつ病,家族,セルフケア,精神看護
Development of a Nursing Approach for Enhancing Self-care Skills of Families
of Depressive Patients?Using Family Narratives?
NAKAMURA Tomohiro, HARA Katsue, TANOGUCHI Keiko, SATA Tomoko,
HANAOKA Misaki, OZAWA Kazuko, MIZUNO Eriko
Depression, Family, Self-Care, Psychiatric Nursing
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