山梨大学看護学会誌 第7巻1号 039-044(2008)

<資 料>
看護実践場面で発生する音の健康大学生の自律神経活動
および気分への影響

溝口 弥生,佐藤都也子

要 旨
看護ケア時に発生する音を再現し,その音に対する生体反応を科学的に実証するために,自律神経活動への影響および快- 不快の気分について検討した。対象は健康な大学生5 名(男性1 名および非月経期の女性4 名)であり,自律神経活動を心拍変動により,また音に対する快- 不快の気分についてVisual Analog Scale を用いて測定した。その結果,心拍変動のHF およびLF/HF 比は,血圧計のふたを閉じてステンレスワゴンを押し,ドアの3mm の段差を通って病室を出て停止するまでの一連の場面での発生音に対して,心臓交感神経活動が優位な状態になったことを示した。さらに音の消失により,心臓交感神経活動は低下するが,副交感神経活動が優位な状態になるまでには時間を要した。また音が大きくなると不快の感じ方が強くなった。これらのことより,一般に不快とされる60 〜 80dB の大きさの音は,生理的・心理的にストレスの要因となることが考えられた。

キーワード 看護実践,音,心拍変動,快- 不快



Effect of Nursing Care Induced Noise on the Mood and Autonomic Nervous System of
Healthy Young Subjects

MIZOGUCHI Yayoi, SATO Tsuyako


Key Words Nursing Practice, Noise, Heart-rate Variability, Mood


論文PDFファイル (364KB) はここをクリックしてください
Full Text PDF File (364KB)




目次・Contentsに戻る