山梨肺癌研究会会誌 第11巻1号 006-009(1998)
悪性胸膜中皮腫様の進展形式を示した小細胞悪性腫瘍の一例
金澤正樹、橘田吉信、成宮賢行、西川圭一、石原 裕、田村康二、名倉 悟、加藤良平
要旨:症例は75歳、男性。左胸水精査のため入院。肝腎心機能問題なし。血中 NSE 21.3ng/ml、CYFRA 10.7 ng/ml、ProGRP 1640pg/mlと高値。内分泌学的検査では ACTH 171.1pg/ml と高値。胸水中 NSE 94.7ng/ml、ヒアルロン酸 87000ng/ml、画像所見では、左胸水の貯留と左胸壁より縦隔側の胸膜に沿って広がる腫瘤あり。縦隔は左方偏位。遠隔転移なし。経皮的生検の病理組織像は小細胞癌であり、肺小細胞癌が胸膜に沿って進展したものと考えられた。肺小細胞癌がこのような進展形式を取ることはまれであり、小細胞型の悪性胸膜中皮腫との鑑別は非常に困難であると考えられた。
Keyword :小細胞癌、悪性胸膜中皮腫、ACTH産生腫瘍、Small cell carcinoma、Mesothelioma、ACTH-secreting tumor
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