山梨肺癌研究会会誌 第11巻1号 031-035(1998)

細胞診で診断困難であった肺悪性リンパ腫(いわゆる MALT lymphoma)の一例

石井喜雄、中澤久美子、早川直美、弓納持勉、尾崎由基男、西川圭一、石原 裕、小沢克良、平島奈緒子、三俣昌子、加藤良平

 細胞診で診断困難であった、まれな肺原発 Mucosa-associated lymphoid tissue(MALT) リンパ腫の1例を報告する。細胞形態的には成熟リンパ球とほぼ同様の細胞像であり、一部に形質細胞を伴って出現していたが、異型性に乏しく細胞診断はClass I とした。病理組織学的には異型性の乏しいリンパ球を主体に、一部形質細胞への分化を示す腫瘍性病変であり、免疫組織学的には L-26(+),UCHL-1(-),Ig M(+),ラムダ鎖(+)を示したことから、Malignant lymphoma (diffuse small cell, B cell type)so called MALT lymphoma と診断された。細胞診材料での低悪性度リンパ腫の診断は、リンパ球増殖性病変のなかで鑑別は非常に困難であるが、細胞形態にとどまらず臨床的事項と他の免疫学的手法も取り入れて、総合的に評価することが重要であると考えられた。


Key words:Lung、Mucosa-associated lymphoid tissue、Malignant lymphoma、Cytology、Case report


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