山梨肺癌研究会会誌 第11巻2号 059-062(1998)

3回の手術を行った肺腺癌の1症例

三宅和雄,千葉成宏,榊原賢士,吉田竜二,高橋章弘,奥田純一,小山敏雄

要旨:症例は53歳男性。右下葉(S9)原発肺癌のため下葉切除を行った。術後4年7ヶ月に左下葉(S6)に認められた腫瘍に対して区域切除を行った。さらに3年7ヶ月後、右中葉(S5)に腫瘍を認めて中葉切除を行い、また同時に認めた左下葉切除端付近の腫瘍に対し、放射線照射を行った。そして初回手術後9年8ヶ月現在坦癌生存中である。組織像は3回とも酷似しており、高分化乳頭型腺癌を中心とするもので再発と考えた。呼吸機能は3回とも手術を通して著名な低下はなかった。
 再発肺癌および異時性重複癌に対して適応、術式を検討した上で再切除を行えば、予後向上が期待できる場合もあると考えられた。

Key words:再発肺癌、再手術、長期生存



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