山梨肺癌研究会会誌 第12巻1号 025-028(1999)

術前に浸潤型縦隔腫瘍と診断した肺平滑筋腫の1例

石川成津矢、高橋 渉、水谷栄基、保坂 茂、吉井新平、多田祐輔

要旨:肺原発の平滑筋腫を経験した。症例は21歳、男性。労作時呼吸困難で発症。術前診断は、縦隔腫瘍の左肺門部浸潤とし、左主気管支内腔を閉塞する病変の組織生検で、精上皮腫・リンパ腫を否定後左肺全摘術を行い、術後の組織学的診断で、肺平滑筋腫と確定した。術後8か月の現在、再発なく健在である。
肺原発の良性腫瘍は、肺腫瘍の数%を占める疾患にすぎず、なかでも平滑筋腫は非常に稀で、本邦でも70例程度の報告をみるのみであり、気管・気管支型でも術前診断が得られないことが多い。

Key words :肺平滑筋腫、気管支型平滑筋腫



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