山梨肺癌研究会会誌 第12巻2号 60-65(1999)

非小細胞肺癌に対するDocetaxel週1回静注と放射線治療の同時併用の経験

栗山健吾,大西 洋,山口元司,植木潤子,小宮山貴史,曹 博信,荒木 力,西川圭一,石原 裕

要旨:Docetaxelは放射線治療の贈感効果があるといわれており、当科では5症例の非小細胞肺癌の放射線治療にdocetaxel週1回同時併用したので、治療経験を報告する。病期はIIIA例、IIIB例であり、全例とも扁平上皮癌であった。治療は、放射線治療60−66Gyと照射期間中週1回docetaxel30mg同時併用とした。治療効果は、CR1例、PR4例であった。副作用は全例に白血球減少がみられたがほとんどgrade2までの軽度なものであった。dose−limiting toxicityといわれている食道炎も全例で軽度なものであった。放射線肺炎が2例にみられたが、軽度なものであった。全例でdocetaxelの同時併用を完遂でき、PR以上の治療効果を得た。放射線治療とdocetaxelの同時併用療法は非小細胞肺癌に対して有用な治療法である。

Key word:non−small cell lung cancer,docetaxel,radiation therapy,concurrent chemotherapy



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